獲易えやす)” の例文
貫一は篤学のみならず、性質もすぐに、おこなひただしかりければ、この人物を以つて学士の冠をいただかんには、誠に獲易えやすからざる婿なるべし、と夫婦はひそかに喜びたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
さて十月の頃にいたり雪る日には鮏も多く獲易えやすきものゆゑ、一日あるひる雪をもいとは蓑笠みのかさをかため、朝よりたなにありてさけをとり、ふごにとりためたる時はふごにもなはをつけおけば
碩学の人は求め得べし、しかれども兼ぬるに高節をもってする人は決して獲易えやすくはない。西に、正義を踏んで恐れず、学理のためには身首処を異にするを辞せざりしパピニアーヌスあり。
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
住居ぢうきよ位置いちは、第一に飮用水いんようすいむべき泉、川、或は湖より程遠ほどとほからぬ所にして、次に食物しよくもつ獲易えやすき塲所、次に日當りき地をゑらびしなるべし。三つの條件じやうけんを充たす地には大部落だいぶらくそんせしならん。
コロボックル風俗考 (旧字旧仮名) / 坪井正五郎(著)