牝犬めいぬ)” の例文
牝犬めいぬを追う牡犬おいぬのように、店中の若い者が遠慮も気兼も忘れて、ゾロゾロとついて歩いたと言うにとどめることにしましょう。
てっきり殺されたのであろうと思うて居ると、村内唯一の牝犬めいぬもとに通うて、他の強い大勢の競争者に噛まれ、床の下に三日もぐり込んで居たのであった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
肉瘠せ氣はやり善く馴らされし牝犬めいぬとともにグアンディ、シスモンディ、ランフランキをその先驅さきてとす 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
奴隷の鴉片あへん。癩病者の牝犬めいぬ
此辺には牝犬めいぬが少ないので、春秋の交尾期こうびきになると、猫程しかないピンを目がけて、るわ/\、白君、斑君ぶちくん、黒君、虎君、ポインタァ君、スパニール君、美君
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
強い牡犬おいぬと強い牝犬めいぬの恋を追って歩く弱い牡犬のように、首と尻尾を垂れて、二人の姿を追って、何処どこまでも何処どこまでも、ウロウロいて行く深沢深だったのです。
いわ彼方かなたに恐るゝ牝犬めいぬ
斯無懐氏の女のほかに、テリアル種の小さなくろ牝犬めいぬが一匹。名をピンと云う。鶴子より一月ひとつきまえにもらって、最早もう五歳いつつあごのあたりの毛が白くなって、大分だいぶばあさんになった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)