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かんばん
ふりがな文庫
“
燗番
(
かんばん
)” の例文
「あの男は不思議に念佛嫌ひでね、——百萬遍が始まると、お勝手へ行つてお
燗番
(
かんばん
)
をしたり、料理の手傳ひをしたりして居ましたよ」
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香爐
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼は立ちあがってお
燗番
(
かんばん
)
を手招ぎした。酔った勢いでやって来て、思いをさらけだして満足して、そこでまた一時に酔いを発した。
石狩川
(新字新仮名)
/
本庄陸男
(著)
料理は四十人前注文してある、お酒も一人あて一二合ぐらいは出ることになっている、お
燗番
(
かんばん
)
は善慶寺の奥さんや娘さんに手伝って貰うつもりだけれども
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「——うちのにお
燗番
(
かんばん
)
をさせちゃだめですよ、燗のつくまえに飲んじまいますからね」
雨あがる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一家の
締
(
しまり
)
をしている、四十六七になった、ぶよぶよ肥りの上さんと、一日小まめに体を動かしづめでいる
老爺
(
おじい
)
さんとが、薄暗いその囲炉裏の側に、酒のお
燗番
(
かんばん
)
をしたり、女中の
指図
(
さしず
)
をしたりしていた。
あらくれ
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
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其の給仕や酒の
燗番
(
かんばん
)
をするのは、誰あらう、母一人です。
一月一日
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
「あの男は不思議に念仏嫌いでね、——百万遍が始まると、お勝手へ行ってお
燗番
(
かんばん
)
をしたり、料理の手伝いをしたりして居ましたよ」
銭形平次捕物控:060 蝉丸の香炉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
台を隔てて主人の
留吉
(
とめきち
)
と女房のおいせがいる。おいせは
燗番
(
かんばん
)
であり、留吉は
肴
(
さかな
)
を作る。
饒舌りすぎる
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
續いて藝者のおりんとお袖、お
蔦
(
つた
)
は呑む眞似だけ。大方
空
(
から
)
つぽになつた徳利は、杯を添へて
艫
(
とも
)
のお
燗番
(
かんばん
)
のところに返されました。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「船の中で正氣だつたのは、磯屋とお
燗番
(
かんばん
)
の外には、お前一人だつたと言ふぢやないか。お前は何にか知つてるに違ひあるまい」
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
その後ろに從ふのは、
幇間
(
たいこもち
)
が二人、
燗番
(
かんばん
)
一人、
盜食
(
ぬすみぐ
)
ひや夜逃げはするかも知れませんが、人間一匹殺せる人相のはをりません。
銭形平次捕物控:004 呪ひの銀簪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
爺やの卯八——その夜のお
燗番
(
かんばん
)
——は、その頃は飛切り珍しかつたギヤーマンの
徳利
(
とくり
)
を捧げて
艫
(
とも
)
から現はれました。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
爺やの卯八——その夜のお
燗番
(
かんばん
)
——は、その頃はとびきり珍しかったギヤマンの徳利を捧げて
艫
(
とも
)
から現われました。
銭形平次捕物控:091 笑い茸
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
そんな事はお
燗番
(
かんばん
)
の杉之助の自由自在だ。が、その目印の糸を、多與里に附け替へられたとは知らなかつた。
銭形平次捕物控:167 毒酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
臍
(
へそ
)
で煙草を吸はせて、お尻に
彦徳
(
ひよつとこ
)
の面を冠せて、逆立ちになつてかつぽれを踊つて、婆ア藝者のお粂と
拳
(
けん
)
を打つて、ヘトヘトに疲れると、お
燗番
(
かんばん
)
の周助にねだつて
銭形平次捕物控:201 凉み船
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お島はお
燗番
(
かんばん
)
をしてゐたんです。酒に毒が入つて居ると、お島が疑はれるのも無理はありません」
銭形平次捕物控:108 がらツ八手柄話
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お
燗番
(
かんばん
)
は中田屋杉之助自分で
承
(
うけたま
)
はり、小僧三人に雜用をさせて、晝少し過ぎに大川橋から漕ぎ上つた船が、向島の土手の賑ひを右手に眺めて歌ひ乍ら、踊り乍ら、そして飮み乍ら
銭形平次捕物控:167 毒酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
若くて無役で無類の
放埒
(
ほうらつ
)
、この日は柳橋から花見船を仕立てさせ、用人村川菊内、
愛妾
(
あいしょう
)
のお町、
仲間
(
ちゅうげん
)
の勝造、それに庭掃きの親爺三吉をお
燗番
(
かんばん
)
に、
芸妓
(
げいしゃ
)
大小三人、
幇間
(
ほうかん
)
一人を
伴
(
つ
)
れて
銭形平次捕物控:040 大村兵庫の眼玉
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それは結構だが、——私ではお
燗番
(
かんばん
)
の足しにもなりませんよ」
銭形平次捕物控:052 二服の薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「山口屋と取巻きの連中は屋根の中で、お
燗番
(
かんばん
)
と船頭は
艫
(
とも
)
でさ」
銭形平次捕物控:053 小唄お政
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お
燗番
(
かんばん
)
は?」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「お
燗番
(
かんばん
)
は?」
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“燗番”の意味
《名詞》
酒の燗の具合を見る人。
(出典:Wiktionary)
燗
漢検1級
部首:⽕
16画
番
常用漢字
小2
部首:⽥
12画
“燗”で始まる語句
燗
燗徳利
燗鍋
燗酒
燗瓶
燗銅壺
燗冷
燗場
燗部屋