煤払すすはら)” の例文
旧字:煤拂
七夕送りと称していろいろの好ましからぬものを送り出し、盆を清らかな日にしようとしたことは、正月前の煤払すすはらいともよく似ている。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
支度をして竹刀を持って、ともかくも道場のまん中に立ちは立ったが、その姿勢は剣術をやるより煤払すすはらいのほうが似合っているようにみえる。
恋の伝七郎 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
折節おりふし年末の煤払すすはらいして屋根裏を改めると、棟木むなぎの間より杉原紙すぎはらがみの一包みを捜し出し、見るにかの年玉金なり。全く鼠が盗み隠したと分ったとあり。
今時分煤払すすはらひがあるのかと思つて、下男の松さんにきくと、お酒好きの剽軽へうきんな松さんは、佐渡ヶ島へ引越しをするぢやがな、などと冗談じようだんをいつてゐたが
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
『喧嘩じゃないが、友達のおまえが、法規法規と、煤払すすはらいの物売りみたいな事を云うからしゃくにさわるんだ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
篇中の事件はとりいちの前後から説き起されて、年末の煤払すすはらいに終っている。吉原の風俗と共に情死の事を説くには最も適切な時節をえらんだところに作者の用意と苦心とが窺われる。
里の今昔 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
煤払すすはらいの時、衆人みんなの前でつらの皮をいておやりよ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
旅寝して見しや浮世の煤払すすはらひ 芭蕉
俳句はかく解しかく味う (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
煤払すすはらいはいつするか、またその作法。暮の奉公人の出代りは何日か。およびその日の食物など。
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)