滊船きせん)” の例文
『はてさて、めうだぞ、あれはぱり滊船きせんだわい、してると今月こんげつ航海表かうかいへう錯誤まちがいがあつたのかしらん。』とひつゝ、あほいで星影ほしかげあは大空おほぞらながめたが
『つい昔話むかしばなし面白おもしろさに申遲まうしおくれたが、じつ早急さつきふなのですよ、今夜こんや十一はん滊船きせん日本くにかへ一方いつぱうなんです。』
其日そのひれ、翌日よくじつきたつたが矢張やはりみづそらなる大洋たいやうおもてには、一點いつてん島影しまかげもなく、滊船きせんけむりえぬのである。