清経きよつね)” の例文
そのとき、門外よりひづめの音がして、門の中に入ってきたのは、実弟の資盛始め、清経きよつね、有経、忠房ただふさ師盛もろもりたちだった。
その日、清経きよつねともなわれて、静は、頼朝よりとも夫妻の前に出た。——初めて、実にきょう初めて、わが良人と血をわけている兄なる人と、あによめの君とを見たのであった。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
碧梧桐へきごとう来て謡曲二番うたひ去る。いは清経きよつね曰く蟻通ありどおし。(六月十二日)
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
明けて文治ぶんじ二年の一月末には、静も母も、鎌倉幕府の罪人として、安達あだちしんろう清経きよつねやしきに預けられていた。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この年の十月には、清経きよつねの中将が、この世に見限りをつけて入水なさった悲しい事件もありました。
平知盛たいらのとももり清経きよつねの二将が、ものものしく押し下ったが、頼朝の軍に出遭うと、ひとたまりもなく、墨俣川すのまたがわにやぶられて、散走乱離さんそうらんりに、味方の統制すらつかない状態であるという沙汰も
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、清経きよつねに対して、不機嫌を示した。
日本名婦伝:静御前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)