泣伏なきふ)” の例文
き立てられ、孝助は止むを得ず形見の一刀腰に打込み、包を片手に立上り、主人のめいに随って脇差抜いて主人の元結もとゆいをはじき、大地へどう泣伏なきふ
左右ひだりみぎ土下座どげざして、手をいていた中に馬士まごもいた。一人が背中に私をおぶうと、娘は駕籠から出て見送ったが、顔にそでを当てて、長柄ながえにはッと泣伏なきふしました。それッきり。
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
願ひあげたる事ゆるし給へとて泣伏なきふしたる娘がてい見るも不便ふびんおぼえけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「ああ神様※」文子は思わず叫んでそこへ泣伏なきふした。
骸骨島の大冒険 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
女房にようばうしばら泣伏なきふし涙をぬぐひつゝ、竹
心眼 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)