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殺気
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さっき
ふりがな文庫
“
殺気
(
さっき
)” の例文
凄
(
すご
)
いものが手元から、すうすうと逃げて行くように思われる。そうして、ことごとく
切先
(
きっさき
)
へ集まって、
殺気
(
さっき
)
を一点に
籠
(
こ
)
めている。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
温熱
(
おんねつ
)
のような
殺気
(
さっき
)
は
弾琴
(
だんきん
)
の
音
(
ね
)
に吹きはらわれて、ただ、ぼうぜんとふしぎそうに耳をすます軍兵の眼ばかりが光り合う。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どんなに厚顔な夫人でも、少しは
狼狽
(
ろうばい
)
するだろうと予期しながら。が、夫人の顔は、やゝ
殺気
(
さっき
)
を帯びているものゝ、その整った顔の筋肉一つさえ動かさなかった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「どうも、東京では近来よほど
殺気
(
さっき
)
立っている。新聞の調子を見てもわかるが、どこかこういつもに違ってまじめなところがある。いよいよ
戦端
(
せんたん
)
が開けるかもしれない」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
棒頭は
殺気
(
さっき
)
だった。誰かが向うでなぐられた。ボクン!
直接
(
じか
)
に肉が打たれる音がした。
人を殺す犬
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
▼ もっと見る
午後三時半、あますところわずかに三十分、警戒陣はものものしく
殺気
(
さっき
)
だってきました。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
この
殺気
(
さっき
)
の場面に、恋の一こと——それは、降り積む雪に熱湯を注いだも同然で、一瞬、ほのぼのとした煙を上げて、この場の
緊張
(
きんちょう
)
をやわらげ、冷気に一抹のあたたかみを与える効果はあったが
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
いままでの、
意地
(
いじ
)
や
興味
(
きょうみ
)
など
超越
(
ちょうえつ
)
して、ある
運命
(
うんめい
)
とものすごい
殺気
(
さっき
)
をはらみかけた
番外
(
ばんがい
)
五
番
(
ばん
)
試合
(
じあい
)
は、こうしてまさにその
火蓋
(
ひぶた
)
を切られようとしている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
御米は小六の
憮然
(
ぶぜん
)
としている姿を見て、それを時々酒気を帯びて帰って来る、どこかに
殺気
(
さっき
)
を含んだ、しかも何が
癪
(
しゃく
)
に
障
(
さわ
)
るんだか訳が分らないでいてはなはだ不平らしい小六と比較すると
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「なにか
殺気
(
さっき
)
だっているが、
伊那丸
(
いなまる
)
さまといい
他
(
ほか
)
の者といい、ここへくれば、なんとかわれわれに手はずをなさるであろうから、どうもそうは考えられんな」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“殺気”の意味
《名詞》
殺気(さっき)
草木を枯らす寒冷の気。
殺伐とした空気。荒々しいさま。
(出典:Wiktionary)
殺
常用漢字
小5
部首:⽎
10画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“殺気”で始まる語句
殺気立