死相しさう)” の例文
十一年の正月、ふと僕に会ひて「死相しさうがある」と言ひし人ありしが、まことにそんな顔をしてをりしなるべし。
病中雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
近所きんじよ女房等にようばうらは一たん晒木綿さらしもめん半分はんぶんきつてそれでかたばかりのみじか經帷子きやうかたびら死相しさうかく頭巾づきんとふんごみとをつてそれをせた。ふんごみはたゞかくにして足袋たびかはり爪先つまさき穿かせるのであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
あゝ死相しさう——刹那せつなよ黒く
如是 (新字旧仮名) / 末吉安持(著)