正邪せいじゃ)” の例文
善悪正邪せいじゃはとにかく、損徳そんとくの点から打算ださんしても、なんの必要もなきところに、感情をついやすことはおろかなわざである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
人民じんみんからはさまざまの祈願きがんるであろうが、その正邪せいじゃ善悪ぜんあくべつとして、土地とち守護神しゅごじんとなったうえは一おう丁寧ていねい祈願きがん全部ぜんぶいてやらねばならぬ。取捨しゅしゃ其上そのうえことである。
黙れッ! おのれお艶、痩せても枯れても武士の妻ともあろう者が、正邪せいじゃの別、恩愛おんあい義理ぎりをもわきまえず、言わせておけば際限もなく、よッくノメノメとさようなことがいえるな。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
願わくは説が違ったときは、はてな、おのれの考えとは違うが、一たびはその意見を聞こう、正邪せいじゃの判断を下す前に一応は取調べもし、耳を傾けもするだけの度量が欲しい。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)