榮耀ええう)” の例文
新字:栄耀
「成程、そいつは氣が付かなかつた。あつしは縁側の方へ退きませう。日向ひなたぼつこをしながらお雜煮を祝ふのも、飛んだ榮耀ええうですぜ」
悉皆こと/″\く己れが榮耀ええうに遣ひけりお安は旨々うま/\と長庵に欺かされ妹のお富迄も浮川竹うきかはたけながれの身と成りし事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
時頼の有樣を觀て熟〻つら/\思ふやう、扨も心得ぬ六波羅武士が擧動ふるまひかな、父なる人、祖父なる人は、昔知らぬ若殿原に行末短き榮耀ええうの夢を貪らせんとて其の膏血はよもそゝがじ。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
成し罪滅つみほろぼしと自分の身には榮耀ええうは止め人にほどこす事而已のみす故受取金も多けれども夫故こまる我が身上しんしやう現在げんざいおとゝが外成ぬ年貢の金に差支へ手風てかぜいとうてそだてし娘を苦界へ沈める急場の難儀を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
あづかりしと云ふ一札迄さつまでわたき其儘別れて歸りける心の内に長庵は仕濟しすましたりと大いに悦び彼五十兩の其金はおのれが榮耀ええう酒肴ざけさかな遊女狂いうぢよぐるひにつかひける然るに伊勢屋千太郎はかゝる事とは夢にも知らず心の中に今日は小夜衣が麹町へ來たかあすは來るかと指屈算ゆびをりかぞへ日のくるるのを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)