楽園パラダイス)” の例文
旧字:樂園
といつても春の楽園パラダイスで美しい姫等が、孔雀と戯れてゐるところとか、銀河の流れに緑の岸を伝ひほがらかな女神が琴をかなでゝゐるところとか
嘆きの孔雀 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
鋭いメスの先で一本一本神経を掘り出して行く時の触感、内臓にとうを入れるときの手ごたえに私は酔うほどの悦楽を催おし、後には解剖学実習室が私にとって、楽園パラダイスとなりました。
三つの痣 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
アダムの二本棒にほんぼう意地いぢきたなさのつまぐひさへずば開闢かいびやく以来いらい五千ねん今日こんにちまで人間にんげん楽園パラダイス居候ゐさふらふをしてゐられべきにとンだとばちりはたらいてふといふ面倒めんだうしやうじ〻はさて迷惑めいわく千万せんばんの事ならずや。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
あたまをちょん切られた地境の黒松の軒に這いあがって、目もあやな薔薇のパーゴラをつくったので、わが家の庭は、さながら新教徒プロテスタントの天国か、旧約聖書の楽園パラダイスのようなおもむきになった。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
そが夢みる楽園パラダイスは生と死を懸けて
未婚婦人 (新字新仮名) / 今野大力(著)