けみ)” の例文
旧字:
表現の方法の巧拙を論ずる前に、先づその表現の方法の全身的であるか否かを第一にけみすべきではないか。第一義的であるか否かを検すべきではないか。
月明夜々 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
今日の只今も繇条ようじょう書屋の書斎南窓下の机にって一方には植物の実物をけみし、一方にはペンを動かしてこれを記述し、また写生図をも自分に作っている。
従つてその絵は万花鏡ばんくわきやうのぞく如く、活動写真を観たあとの心象の如く、大顕微鏡下に水中の有機体をけみする如く、雑多な印象が剪綵せんさいせられずに其儘そのまゝ並べられて居るが、印象にはおのづから強弱と明暗があるから
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
円陣にひそゐる少女鋭眼とめはや紙幣さつけみしをれ早やおそれつつ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)