格天井がうてんじやう)” の例文
これは後で見ると、悉く下の大廣間の格天井がうてんじやうかれた、天人の眼や、蝶々の羽の紋や、牡丹ぼたんしべなどであつたと言ふことです。
几帳きちやうとも、垂幕さげまくともひたいのに、うではない、萌黄もえぎあを段染だんだらつた綸子りんずなんぞ、唐繪からゑ浮模樣うきもやう織込おりこんだのが窓帷カアテンつた工合ぐあひに、格天井がうてんじやうからゆかいておほうてある。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
当時に有名なうての番匠川越の源太が受負ひて作りなしたる谷中感応寺の、何処に一つ批点を打つべきところ有らう筈なく、五十畳敷格天井がうてんじやうの本堂、橋をあざむく長き廻廊、幾部いくつかの客殿、大和尚が居室ゐま
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
樽屋さんが、寺の格天井がうてんじやうが一と小間が痛んで居るのを氣にして、一つだけ前の日にそつと外して置き、翌る朝歸る時、風呂敷に包んで持つて行かれました。
銭形平次捕物控:274 贋金 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)