某氏ぼうし)” の例文
拳闘けんとう某氏ぼうしのように責任を感じて丸坊主まるぼうずになったひともいましたが、やはり気恥きはずかしさやひがみもあり張りめた気も一遍いっぺんに折れた、がっかりさで
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
見るとその三四の郵便物の中の一番上になっている一封の文字は、先輩せんぱい某氏ぼうしふでであることは明らかであった。
野道 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
英国の某氏ぼうしが紙片に「教授が多過ぎる」(There are too many professors)
というものはこの事件はどの点から見ても、五十名の寄宿生が新来の教師某氏ぼうし軽侮けいぶしてこれを翻弄ほんろうしようとした所為しょいとよりほかには認められんのであります。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
糟谷は飲めない口で西田の相手をしながら、いまいってきた某氏ぼうしの家の惨状さんじょうを語った。
老獣医 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
もつと奇談きだんとすべきは地主ぢぬし某氏ぼうしときである。
そして、そのペエジのすぐ裏には、レスラア某氏ぼうしの書いてくれたこんな文句がありました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)