杭州こうしゅう)” の例文
廷珸も人命沙汰ざたになったので土地にはいられないから、出発して跡を杭州こうしゅうにくらました。周丹泉の造った模品はこれで土に返った訳である。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
杭州こうしゅうから福県ふくけんのあたりを荒し廻った海賊の五島我馬造ごとうがまぞうが隠居所に建てた唐館だそうだが、それにしても酔狂にも程がある。
この室は、漢于仁の故郷であるところの浙江省せっこうしょう杭州こうしゅうの郊外、万松嶺ばんしょうれいの上に立つ、直立二百尺の楼台ろうだいのうちにあって、しかもその一番高いところにあった。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
支那の杭州こうしゅうにある西湖せいこの伝説を集めた『西湖佳話せいこかわ』の中にある『雷峰怪蹟らいほうかいせき』がその原話である。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
龔廷賢きょうていけんそうとする治法を施したのである。曼公、名はりつ杭州こうしゅう仁和県じんわけんの人で、曼公とはそのあざなである。みん万暦ばんれき二十四年のうまれであるから、長崎に来た時は五十八歳であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
杭州こうしゅうに美女あり、そのおもて白玉はくぎょくの如く、夜な夜な破狼橋はろうきょうもとに来って妖童ようどうを見る……」
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「こうなると、戦線が伸びるばかりで、結局要領を得にくくなる。杭州こうしゅう寧波ニンポーなどに、米軍がいつまでも、のさばっていたんでは、今後の戦争が非常に、やりにくい」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
留まりたもうこと三日、杭州こうしゅう天台てんだい雁蕩がんとうゆうをなして、又雲南に帰りたもう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
おれは、お前と同じように、さらわれてきたんだ。それはおれが杭州こうしゅうで釣をしているときだったよ。突然袋を頭から被せられてかつがれていったのだ。あれからもう三年になる。早いものだ
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
上海シャンハイに市街戦起る、○○師団、先ず火蓋を切る。米国空軍は杭州こうしゅう地方に集結」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)