ぞく)” の例文
次郎も捕手の仲間に加わる気か何かで、例の野槍をたずさえて、彼と共に飛び出しましたが、桐畑から千ぞくの用水堀まで駆けて来ると
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
例えば鎌倉権五郎だ、十三ぞくぶせの矢を、三人張りで射出され、それで片目射潰されても、なお堂々と敵を斬り、生命には何んの別状もなかった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
この娘を縛つて行つていきなり二三ぞく引つ叩いて見て下さいよ。泥を吐かなかつたら、お詫びをしますから、さ
私はわずか十三ぞくの矢を引くに過ぎませぬ。私ほどのもの、関東八カ国には数えられぬくらいおります。
それからも千ぞくの稲が来る。雲霧くもきり仁三にざが来る。そのほか、有名無名の白浪たちが「目ざまし草」の胴乱をかけ、たばこを仕入れに出入りします。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この娘をしばって行っていきなり二三ぞく引っぱたいてみて下さいよ。泥を吐かなかったら、お詫びをしますから、さ
言へば、二三ぞく叩きのめしてからにし度いんだが、——大丈夫そんな事はしませんよ。猪之助親分の子分衆に預けてありますから、すぐ繩を解いてやりますよ
銭形平次捕物控:260 女臼 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
けれど、それは暗殺のくじで、千ぞくの稲にまかせてあることだし、自分の心も、あの女に触れたくない。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「親分、何にもわかりませんよ。この上は勇太郎を縛って、二三ぞく叩いてみるんですね。江戸一番の正直者みたいな顔をしているだけにあの男には臭いところがありますよ」
「親分、何んにもわかりませんよ。この上は勇太郎を縛つて、二三ぞく叩いて見るんですね。江戸一番の正直者見たいな顏をして居るだけにあの男には臭いところがありますよ」
「いやなじゃありませんか、親分、くくって二三ぞくぱたいてやりましょうか」
「親分、いたちの千吉の野郎を生け捕つて來ましたよ。二、三ぞく引つ叩いて見ませうか」