“月蝕”の読み方と例文
読み方割合
げっしょく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
恐しかった。悲しかった。子供の時に乳母うばに抱かれて、月蝕げっしょくを見た気味の悪さも、あの時の心もちに比べれば、どのくらいましだかわからない。
袈裟と盛遠 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
大正四、五年頃、私は帝展に「月蝕げっしょくの宵」を出そうとかかった時、武子さんにモデルになって貰ったことがあります。
好きな髷のことなど (新字新仮名) / 上村松園(著)
昼のようだった庭面にわもの月が、うすい雲のまくにつつまれて、月蝕げっしょくの晩のようなほのぐらさでした。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)