智慧袋ちゑぶくろ)” の例文
遊廓問題に行き悩んでゐる府知事の智慧袋ちゑぶくろのやうに、かさの小さい鴉のしんの臓は、この怖ろしい出来事に出遭つてうにも持堪もちこらへる事が出来なかつたのだ。
三人よれ文珠もんじゆさへ授けぬ奸智かんち智慧袋ちゑぶくろはたいたそこやぶれかぶれ爲術せんすべつき荒仕事あらしごと娘にあはすと悦ばせて誘引おびき出すは斯々と忽ちきまる惡計にさしさゝれつ飮みながらとは云ふものゝまくは餘り感心かんしんせぬ事成れば姉御あねごと己とくじにせんと紙縷こよりひねつて差出せばお定は引て莞爾につこりわら矢張やつぱり兄貴あにきが當り鬮と云はれて三次は天窓あたま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)