智力ちりょく)” の例文
夜ひとりでいるのは剣呑けんのんだというので、一晩ずつ三人の家を順に提供し合って、三人寄れば文殊もんじゅ智力ちりょく鼎坐ていざして夜を徹することにした。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
智力ちりょくの点ではX号は人間以上である。いわゆる「超人ちょうじん」だった。そのかわり、人間らしい愛とか人情にはかけていた。それがおそろしいのである。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところが人間の智力ちりょくもまた恐ろしいもので、この頃動揺する船の上でも、まるでコンクリートの台の上と同じように、重力を精密に測り得る装置が考案された。
地球の円い話 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
冷却れいきゃくしてのち飛散ひさんするとすれば、高尚こうしょうなるほとんかみごと智力ちりょくそなえたる人間にんげんを、虚無きょむより造出つくりだすの必要ひつようはない。そうしてあたかあざけるがごとくに、またひと粘土ねんどする必要ひつようい。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
大統領はもちろん、幕僚も建艦委員も共に金博士の智力ちりょくの下に慴伏しょうふくした感があった。