昼餐ちゅうさん)” の例文
旧字:晝餐
装束しょうぞくを解いて、書院へ上がった。やがて室をかえてから昼餐ちゅうさんが運ばれ、主客の歓語は、さすがに親睦しんぼくであった。
新書太閤記:10 第十分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
翌日、クンツはシュルツの家で昼餐ちゅうさんをともにする約束だった。シュルツは心配そうに空をながめた。
やまやという感心もせぬ旅宿に昼餐ちゅうさんしたため、白馬山におくられ、犀川よぎり、小諸こもろのあたり浅間あさま山をかず眺め、八ヶ岳、立科たてしな山をそれよと指し、落葉松からまつの赤きに興じ、碓氷うすいもこゆれば
雪の武石峠 (新字新仮名) / 別所梅之助(著)
昼餐ちゅうさんの支度はなかなかに手間が取れたり。ちょいとしたる御馳走ながら客が料理にくわしき中川とて妻君も如何いかばかり心を労しけん。ややありて持出し来れるぜんの上には品数多くならべられたり。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
この王昼餐ちゅうさん後、必ず人に秘して一物を食うに、その何たるをる者なし。
開拓使長官の使いを受けてその邸に参候するとこの礼装が用意されてあった。特に太政大臣のお召しであると長官は云い、堀はその上官に連れられてまかり出た。まことに鄭重ていちょう昼餐ちゅうさんの饗応を受けた。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)