“立科”の読み方と例文
読み方割合
たてしな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
湖水の彼方むこうに連らなるのは信濃の名山八ヶ岳、右手めてに独り聳えているのは富士によく似た立科たてしな山、八ヶ岳おろしが吹くと見え、裾野の枯草皆びき、湖水の水さえ浪立って見える。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
やまやという感心もせぬ旅宿に昼餐ちゅうさんしたため、白馬山におくられ、犀川よぎり、小諸こもろのあたり浅間あさま山をかず眺め、八ヶ岳、立科たてしな山をそれよと指し、落葉松からまつの赤きに興じ、碓氷うすいもこゆれば
雪の武石峠 (新字新仮名) / 別所梅之助(著)
立科たてしな山の、ったりと緩やかな傾斜が、いかにも情緒的の柔らかさで、雲の中へ溶けている、それらの山々を浮かせて、白銀のような高層の雲が、あざやかな球体をして、幾重にもかさなって
谷より峰へ峰より谷へ (新字新仮名) / 小島烏水(著)