早打肩はやうちかた)” の例文
まア、卒中そっちゅうか、早打肩はやうちかた。……あの通りの大酒くらいですから、さもありそうな往生。……あッという間もなく、自分でも気のつかねえうちに死んじまったろうてんです。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ちひさいとき祖父ぢゞいからいたはなしに、あるさむらひうまつて何處どこかへ途中とちゆうで、きふこの早打肩はやうちかたをかされたので、すぐうまからんでりて、たちま小柄こづかくやいなや、肩先かたさきつてしたため
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
小さい時祖父じじいから聞いた話に、あるさむらいが馬に乗ってどこかへ行く途中で、急にこの早打肩はやうちかたおかされたので、すぐ馬から飛んで下りて、たちまち小柄こづかを抜くやいなや、肩先を切って血を出したため
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宗助は昔の言葉で早打肩はやうちかたというのを覚えていた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
宗助そうすけむかし言葉ことば早打肩はやうちかたといふのをおぼえてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)