日日ひにち)” の例文
『実は手前どもへ一昨日の晩、かれこれ八時まわったころでもござりましょうか』——この日日ひにちと時刻、よく聞いてるね、君?——
益満は、そんな人間だと思召して、万事、お任せ下さるならば、多少の日日ひにちはかかりましても、心ず仕遂げて御覧に入れまする
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
日日ひにちが延びると、世間では何のかんのと非難が聞え出す。さうふ中で、人知れずあせつたりぐれたりしながら、東へ走り西へ飛ぶ。まるで身も心も張り切るだけ張り切るんです。
探偵小説の魅力 (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
「わかった。わかった。よし、承知。日日ひにちと時間とを知らせてくれ。いつでも、行く」
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
磯五は、場所や日日ひにちのことを詳しく聞いて、連中を作って出かけようと約束したのだ。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
姿すがたかくれてれば、なにるまいとおもだろが、れはところへは、日日ひにち毎日まいにちついてるぞ、あめらねどみのり、かさりてよ……」と巫女くちよせこゑ前齒まへばすこけたにもかゝはらず
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
エンマとマクドオナルドの交際がはじまった頃と、立派に日日ひにちが合うのである。
消えた花婿 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
手紙を出すと、一週間程して日日ひにちを指定して来たから、後のことは一時姉に任せて、フレデリック・コウツは年甲斐もなく処女のように胸をときめかせながらいそいそとインデアナへの旅に上る。
斧を持った夫人の像 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)