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しんぱん
雪の
中を
此の
紅鯛綺麗なり。
此のお
買初めの、
雪の
眞夜中、うつくしき
灯に、
新版の
繪草紙を
母に
買つてもらひし
嬉しさ、
忘れ
難し。
押鎭め誰かと思へば
大家さん
大層御機嫌で御座りますねヘイヤ
澤山もやらねど今
其所で
一寸一杯やつたばかりさ夫は
然とお光さん今日
新版の本が
出來て未だ
封切もしないのが澤山あるが日が
暮たら
迫て
畫だけも見にお出
而て今夜は
母親は大師河原の親類へ泊り
掛にと行て留守
内には
吾儕一人限ゆゑ必ずお出の色目
遣ひお光は
恨を