ゆす)” の例文
それが、顔全体いつたいを恐ろしくして見せるけれども、笑ふ時は邪気あどけない小児こどもの様で、小さい眼を愈々小さくして、さも面白相に肩をゆする。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
只もう校舎をゆすってワーッという声のうちに、無数の円い顔が黙って大きな口をいて躍っているようで、何をわめいているのか分らない。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
草木くさきとほはるかひゞけとこゑゆすられつゝよるあひだ生長せいちやうする。くぬぎならその雜木ざふきかへるけばほどさうしてそれが季節きせつまではいくらでも繁茂はんもすることを繼續けいぞくしようとする。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)