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拘攣
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こうれん
ふりがな文庫
“
拘攣
(
こうれん
)” の例文
擦
(
す
)
りあかめたまぶちに、厳しく
拘攣
(
こうれん
)
する唇、またしても濃い睫毛の下よりこぼれでる涙の
雫
(
しずく
)
は流れよどみて日にきらめいた。
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
發したるは我手中の銃にして、黒く數石を染めたる血に
塗
(
まみ
)
れて我前に横れるは我友なり。われは喪心者の如く凝立して、
拘攣
(
こうれん
)
せる五指の間に
牢
(
かた
)
く拳銃を
攫
(
つか
)
みたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
九月十一日は
小雨
(
こさめ
)
の降る日であった。鎌倉から勝三郎の病が
革
(
すみやか
)
だと報じて来た。勝久は腰部の
拘攣
(
こうれん
)
のために、寝がえりだに出来ず、便所に往くにも、人に抱かれて往っていた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
形容すべからざる嫉妬の念が、老衰した己の筋肉の間を狂奔して、その
拘攣
(
こうれん
)
してゐた生活力を鞭うち起たしめた。己は
闥
(
たつ
)
を排して闖入しようとしたことが二十
度
(
たび
)
にも及んだだらう。
復讐
(新字旧仮名)
/
アンリ・ド・レニエ
(著)
皺だらけの腕を
捲
(
まく
)
ってみせて、「まだまだ若いものではしょうむない。毎日私か小言のいい続けどす」まるで何を言っているのか、
拘攣
(
こうれん
)
したように変なところに力を籠めて
空談
(
くだ
)
を巻いている。
霜凍る宵
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
▼ もっと見る
河を渡り地を
択
(
えら
)
み、士馬を休息せしめ、
隙
(
げき
)
を
観
(
み
)
て動くべきなりと。燕王曰く、兵の事は
進
(
しん
)
ありて
退
(
たい
)
無し。勝形成りて而して
復
(
また
)
北に渡らば、将士解体せざらんや、公等の見る所は、
拘攣
(
こうれん
)
するのみと。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「アクーリナ」はその顔をジッと視詰めた、しだいしだいに胸が波だッてきた様子で、唇も
拘攣
(
こうれん
)
しだせば、今まで青ざめていた頬もまたほの赤くなりだした……
あいびき
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
拘
常用漢字
中学
部首:⼿
8画
攣
漢検1級
部首:⼿
23画
“拘”で始まる語句
拘
拘泥
拘引
拘束
拘留
拘々
拘禁
拘薩羅
拘係
拘儒