抱占だきし)” の例文
水車すいしゃの叔父さんに背負おぶさって、家に着いたのは最早もうトボトボ頃であった。お母さんは乃公を抱占だきしめて涙を流した。宛然まるで十年も別れていたようである。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「お柳、」と思わず抱占だきしめた時は、浅黄あさぎ手絡てがらと、雪なす頸が、鮮やかに、狭霧さぎりの中にえがかれたが、見る見る、色があせて、薄くなって、ぼんやりして、一体いったいすみのようになって、やがて
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おりう、」とおもはず抱占だきしめたときは、淺黄あさぎ手絡てがらと、ゆきなすうなじが、あざやかに、狹霧さぎりなかゑがかれたが、る/\、いろがあせて、うすくなつて、ぼんやりして、一體いつたいすみのやうになつて、やがて
三尺角拾遺:(木精) (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)