つも)” の例文
持つつもりでございますが、さて故郷というところは案外予言者を入れぬもので、襤褸ぼろを纏った私などはさぞ虐待されることでございましょう
この章では、一般的に大衆文芸は、如何なる文章を適当とするか、を講ずるつもりである。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「何を!」と飛び込んで来た若い山窩、ザックリ肩を——切ったつもりだが、どうもね、うまく切れなかったらしい、余った力で前へ出た。
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
後へ退った薬草道人、しばらくじっと打ち案じたが、「眠剤をお館にお飲ませ申し、どうなさるおつもりでござったかな?」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さらに宗春を見上げたが、「モカをご殿へ入れましたため、ご殿の尊厳を一抹といえども、穢しませぬつもりにございます」
任侠二刀流 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「誰かこいつを追っ払ってくれ! このお喋舌しゃべりの老人としよりを!」叫んだつもりではあったけれど、口から出たのは唸り声だけで、それもほんの一声であった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうして旅宿やどへ帰った頃には其絵のことも彼女のことも増して酒井のことなどは思い浮かべようとさえ為ませんでした。次に描くつもりの画稿のことを私は思い詰めていたのでした。
温室の恋 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「なるほど、それはもっともじゃ。では本人にこう云うてくれ、落籍は拙者がするようなものの、拙者から改めて鳰鳥をば、殿の側室そばめに出すのじゃから、そのつもりでとこう云うてな」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「数にして三十枚よ。さあおあしつももったら? ああ妾にゃア見当がつかない」
銀三十枚 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……生きるつもりで働いては駄目だ! 死ぬ決心でやっつけてやろう! こうなれば肉弾だ! 生命を棄てて相手を切ろう! ……おおおお集まって来おったな。……とてもまともでは叶わない。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「慢心はおろか、今後は益〻、勉強致すつもりにござります」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「今度来る奴は手強いぞ。そのつもりでかかるがいい」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「隠れたつもりでいるのだろうよ」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「参るつもりとてございません」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)