悄々すご/\)” の例文
遣はし其後源八があそびに來りし時皆々折目高をりめだか待遇もてなしける故源八は手持てもち無沙汰ぶさた悄々すご/\と立歸り是は彼の文の事を兩親の知りし故なりとふか遺恨ゐこんおもひけり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
石段の數でもかぞへるかのやうに一つ/\悄々すご/\と上つて行くのが涙で曇つた圭一郎の眼鏡に映つた。
業苦 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
けはあ、りやけえ姿なりして、ろうのなんだのつて」と與吉よきち呶鳴どなりつけた。與吉よきち悄々すご/\つた。卯平うへいすこひらいて與吉よきち後姿うしろすがたた。なみだめどもなくた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
好い加減に慰められて悄々すご/\帰るより外ないことだらうと思ふと、結果が見えすいてゐて、騒ぐだけ自分の弱味と辱を浚け出すに過ぎないのだと云ふ気もしたが、現在の気持では
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)