御奇特ごきどく)” の例文
智山 唯今御息女よりも右樣の儀をうけたまはつたが、さりとは御奇特ごきどくのことに存じまする。してお身が佐々木殿でござるよな。
佐々木高綱 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
成程なるほどそれうも御奇特ごきどくな事で、おまい葬式とむらひを出してれゝば誠に有難ありがたいね、ぢやア何分なにぶんたのまうしますよ、今にわたしきますが、早桶はやをけなにかの手当てあては。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
「や、それは御奇特ごきどくな事で——御前などもちとごいっしょにやったらよかろう」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御奇特ごきどくのことですと坊さんも褒めていました」
人生正会員 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
御利益ごりやく、——御奇特ごきどく祝着しゅうじゃくに存じ奉る。
多神教 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
唱えて……。これから何処へかお寺参りにでも行くのかね。はは、お若けえのに御奇特ごきどくなことだ
半七捕物帳:47 金の蝋燭 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
番「誠によい御奇特ごきどくをなさいました」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
つけてやりなさる。御奇特ごきどくのことだ、仏もさぞ喜んでいるだろう。さて其の仏のまえでお前さんに少し話したいことがある。ここの娘もつながる縁らしいから、おふくろと一緒にここへ呼んでもいいかね
半七捕物帳:38 人形使い (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)