アト)” の例文
寛の「驢馬とその他」驢馬のところだけ、それからアト一首、よろし。あとは首をそろえるため、のばして、のばしてある。よくない。
之も訣らぬ言葉の一つで、心許ないなどと訳すのは、一番素樸な解釈であるが、之も結局はひどいといふ意味の語らしく、「ひどい……」といふアトの語を省いて了ふ。
古代中世言語論 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのアト、彼は久振に、憂鬱を味はゝされた。
校長 (新字旧仮名) / 中原中也(著)
然れども 亡きアトなれば
我が愛する詩人の伝記 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
其で凡、都遷しのなかつた形になつたので、アトから/\地割りが出來て、相應な都城トジヤウの姿は備へて行つた。其數朝の間に、舊族の屋敷は、段々、家構へが整うて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
そのアトまた妻君が黙つて時計を見上げた。
蜻蛉:――飜弄さる (新字旧仮名) / 中原中也(著)
其で凡、都遷しのなかつた形になつたので、アトから/\地割りが出來て、相應な都城トジヤウの姿は備へて行つた。其數朝の間に、舊族の屋敷は、段々、家構へが整うて來た。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
其でオヨソ、都遷しのなかつた形になつたので、アトから/\地割りが出来て、相応な都城トジヤウの姿は備へて行つた。其数朝の間に、旧族の屋敷は、段々、家構へが整うて来た。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
伊勢の巫女様、尊い姉御が来てくれたのは、居睡りの夢をサマされた感じだつた。其に比べると、今度は深い睡りのアト見たいな気がする。あの音がしてる。昔の音が——。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
夕闇の上に、目を疑ふほど、鮮やかに見えた山の姿。二上山である。その二つの峰の間に、あり/\と莊嚴シヤウゴンな人の俤が、瞬間顯れて消えた。アトは、眞暗な闇の空である。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
夕闇の上に、目を疑ふほど、鮮やかに見えた山の姿。二上山である。その二つの峰の間に、あり/\と莊嚴シヤウゴンな人の俤が、瞬間顯れて消えた。アトは、眞暗な闇の空である。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
夕闇の上に、目を疑ふほど、鮮やかに見えた山の姿。二上山である。その二つの峰の間に、あり/\と荘厳シヤウゴンな人の俤が、瞬間アラハれて消えた。アトは、真暗な闇の空である。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其に比べると、今度は深い睡りのアト見たいな氣がする。あの音がしてる。昔の音が——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
其に比べると、今度は深い睡りのアト見たいな氣がする。あの音がしてる。昔の音が——。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
日本の国語にウツアトづけて行つた詩のことばことばが、らんぼおやぼおどれいるや、さう謂つた人の育つて来、又人々の特殊化して行つたそれ/″\の国語の陰影を吸収して行かないのである。
詩語としての日本語 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)