“後産”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あとざん60.0%
のちざん40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
源氏が非常にうれしく思った時、他の人間に移してあったのが皆口惜くちおしがって物怪は騒ぎ立った。それにまだ後産あとざんも済まぬのであるから少なからぬ不安があった。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)
ちやう後産あとざんすこまへだと、のちいたんでございますが、參合まゐりあはせました、わたしども主人あるじが、あゝ、可厭いやおとをさせる……をりわるい、……産婦さんぷわたしにもかせともなし、はや退いてもらはうと
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「男の子ですかね、女の子ですかね。」産婦は後産のちざんの始末をしてもらうと、ぐったり疲れてそのまましぼんで行きそうな鈍い目で医師や産婆の顔を眺めて不安そうに尋ねだした。
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「皿の上に残って居た肉片にくぎれしらべた医師は、それを後産のちざん即ち胎盤と鑑定したのです」
狂女と犬 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)