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強張
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こわば
ふりがな文庫
“
強張
(
こわば
)” の例文
さっき川島とぶつかった時のような
強張
(
こわば
)
った表情になったかと思うと、挙げかけていた手を何時の間にかするりとおろしてしまっていた。
植物人間
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
とまでは言うたが、あとは
唇
(
くちびる
)
が
強張
(
こわば
)
って、例えば夢の中で
悶
(
もだ
)
え苦しむ人のように、私はただ助役の顔をジッと見つめた。
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
旅籠の
婢
(
おんな
)
や番頭たちは、この、紙帳蜘蛛の怪異に胆を奪われ、咳一つ立てず、手足を
強張
(
こわば
)
らせ、
呼吸
(
いき
)
を呑んでいた。
血曼陀羅紙帳武士
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼は鋼鉄みたいに硬く
強張
(
こわば
)
った片方の腕を彼女の腰へまわし、もう一方の手を、その先の煉瓦積みの上にのせた。
井戸
(新字新仮名)
/
ウイリアム・ワイマーク・ジェイコブス
(著)
子供たちは皆そのまわりに集まって、槌を振りあげる女中頭の
強張
(
こわば
)
った手の動きを、面白そうに見まもっている。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
▼ もっと見る
と呼んで見ようとしても死滅したような
四辺
(
あたり
)
の寂寞が唇を壓し、舌を
強張
(
こわば
)
らせて声を発する勇気もない。
少年
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「お呼吸の苦しい間、お背中が
強張
(
こわば
)
っていましたけれど、あ、そう、わたくしもお水いただいて置きましょう。お廊下に出てお
憩
(
やす
)
みになったら? 上山さんの講演も終りましたし。」
蜜のあわれ
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
私の体は凝結したように
強張
(
こわば
)
って、頬は痙攣して引きつってしまいました。
鉄の処女
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
不機嫌
(
ふきげん
)
な
春重
(
はるしげ
)
の
顔
(
かお
)
は、
桐油
(
とうゆ
)
のように
強張
(
こわば
)
っていた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
お関の表情も、さすがに
強張
(
こわば
)
って行きます。
銭形平次捕物控:109 二人浜路
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
再び忍び足のような音がぼんやりと聞えて来た。彼の醜悪な容貌は恐しい事を予想しているらしく妙に
強張
(
こわば
)
った。そして音を立てない様に袋を床に置くと突然電燈を消してしまった。
赤い手
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
強
常用漢字
小2
部首:⼸
11画
張
常用漢字
小5
部首:⼸
11画
“強”で始まる語句
強
強請
強情
強力
強靱
強飯
強盗
強者
強靭
強面