廟議びょうぎ)” の例文
わけても、朝廷には今、叡山の訴状が出ているし、南都の衆僧からも、念仏悪の罪状をかぞえて、その弾圧を、廟議びょうぎに建言している際なので
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すなわち国家風教ふうきょうたっと所以ゆえんにして、たとえば南宋の時に廟議びょうぎ主戦しゅせん講和こうわと二派に分れ、主戦論者は大抵たいていみなしりぞけられてあるいは身を殺したる者もありしに
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
六月一日にいたって廟議びょうぎはそれに決するが、政府内部での彼ら両人の立場が、そのためおそろしく不利になる。
黒田清隆の方針 (新字新仮名) / 服部之総(著)
廟議びょうぎをもって、我皇室に対する罪をもってロシヤの皇室に対する罪にも適用すべきものなりと定めて
法窓夜話:02 法窓夜話 (新字新仮名) / 穂積陳重(著)
と、廟議びょうぎとしては、じつに稀有けうな即決と、また一大覚悟のもとに、これの布陣となった経過がありありわかる。何しろ元日、これはただならぬ元日だった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
凱旋がいせんしても、廟議びょうぎで、私闘だと決められたため、恩賞も出ず、ぜひなく義家は、自分の領田りょうでんの物や家産を売って、やっと、大勢の部下をなぐさめたでしょう。
現皇帝の哲宗が崩御みまかられた。しかるに、じつの皇太子がおわさぬまま、文武百官の廟議びょうぎ紛々ふんぷんをかさねたすえ、ついに端王を冊立さくりつして、天子と仰ぐことにきまった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いえ、勅ではありましても、廟議びょうぎの大事ではなし、ご欠席あそばしたところで、あながち何も」
「叡山の態度こそ、しからぬものである。吉水の法然と、それとを比較すれば、いずれが、仏者として正しいか、あきらかではないか」と、かえって硬化して、廟議びょうぎは、いっそう激越になり
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、その朝臣が、きょうの宮中集議にも、参議の衣冠をつけて、しかつめらしゅう参内している。なんと、廟議びょうぎの席が、眠たくて、ものうくて、耐え難くしておわすことであろうよ——
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
廟議びょうぎとはいえ、彼が口を開けば、それは絶対なものだった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何を、ぐずぐずしておるか。廟議びょうぎはかれ。廟議に」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)