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座敷牢
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ざしきろう
ふりがな文庫
“
座敷牢
(
ざしきろう
)” の例文
座敷牢
(
ざしきろう
)
に入れておいたのを知らぬまに飛び出したのでござりますゆえ、お願いでござります。お下げ渡しくださりませ。お願いでござります
右門捕物帖:27 献上博多人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
わたくしはこの年の地震の事を語るに
先
(
さきだ
)
って、台所町の渋江の家に
座敷牢
(
ざしきろう
)
があったということに説き及ぼすのを
悲
(
かなし
)
む。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「客商売に、
座敷牢
(
ざしきろう
)
というのも面白うない。裏山の奥に、掘っ立て小屋を建ててな、見張り人をつけてあるそうだ」
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
この嫂を通して、岸本は父が最後に
座敷牢
(
ざしきろう
)
で送った日のことを聞いた。幻を
真
(
まこと
)
と見る父の感覚は眼に見えない敵のために悩まされるように成って行った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
自分との事のために、
離座敷
(
はなれざしき
)
か、
座敷牢
(
ざしきろう
)
へでも、送られて
行
(
ゆ
)
くように思われた、
後前
(
あとさき
)
を
引挟
(
ひっぱさ
)
んだ三人の
漢
(
おとこ
)
の首の、兇悪なのが、
確
(
たしか
)
にその意味を語っていたわ。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
「お母さんは、殺されるに違いないと、自分で
座敷牢
(
ざしきろう
)
のようなものを
拵
(
こしら
)
えて
入
(
はい
)
り込み、私のほかは誰も入れません。それで、お母さんは御無事でも、こんどは私が——」
銭形平次捕物控:282 密室
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
座敷牢
(
ざしきろう
)
という造りらしい、土蔵の二階の一部を格子で仕切り、方三尺ばかりの戸口には錠が掛っていて、食事その他の用のあるとき以外は決してあけることはなかった。
風流太平記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
細君の方でも、家庭と切り離されたようなこの孤独な人に
何時
(
いつ
)
までも構う
気色
(
けしき
)
を見せなかった。夫が自分の勝手で
座敷牢
(
ざしきろう
)
へ入っているのだから仕方がない位に考えて、まるで取り合ずにいた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
事ここに至っては栄吉も余儀ない場合であるとして、翌朝は早くから下男の佐吉に命じ裏の木小屋の一部を片づけさせ、そこを半蔵が
座敷牢
(
ざしきろう
)
の位置と定めた。
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
一方では伊賀井の殿様の奥方——弥生の方は、御主人の気違い沙汰に
取逆上
(
とりのぼせ
)
て、これは本当に気が変になり、ひと間に押し込められて、
体
(
てい
)
のいい
座敷牢
(
ざしきろう
)
暮しをするようになった。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ぜんたいが
座敷牢
(
ざしきろう
)
のような造りになっており、召使のお杉はその出入りごとに、いちいち鍵を外し鍵を掛けるのであるが、その日、お杉が炊事場で
夕餉
(
ゆうげ
)
の支度をしているあいだに
赤ひげ診療譚:04 三度目の正直
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
「なんだい。殿さまが
座敷牢
(
ざしきろう
)
にでもおはいりかい」
右門捕物帖:24 のろいのわら人形
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
五十余年の涙の多い
生涯
(
しょうがい
)
を送った父が最後に行きついたところは、そんな
座敷牢
(
ざしきろう
)
であるかと思うと
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
わかったら
伴
(
つ
)
れ戻されて
座敷牢
(
ざしきろう
)
へ入れられるかもしれない、座敷牢といっても十帖と八帖の二た間で小間使と下男が付くのだけれど、それでもあたしわがままだからいやなの、って云うんです
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
一刻も早く遺骸は
他
(
よそ
)
へ移したい、こんな忌まわしい
座敷牢
(
ざしきろう
)
の中には置きたくない、とは一同のものの願いであったが、さて
母屋
(
もや
)
の方へ移すべきか、隠宅の静の屋の方へ移すべきかの話になると
夜明け前:04 第二部下
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
“座敷牢”の解説
座敷牢(ざしきろう)とは、外部から施錠する形で私宅に設けられた部屋の俗称である。
(出典:Wikipedia)
座
常用漢字
小6
部首:⼴
10画
敷
常用漢字
中学
部首:⽁
15画
牢
漢検準1級
部首:⽜
7画
“座敷”で始まる語句
座敷
座敷方
座敷着
座敷姿
座敷用
座敷箒
座敷船
座敷々々
座敷土蔵
座敷童子