幾回いくくわい)” の例文
左舷さげん紅燈こうとう海上法かいじやうはふまもり、停泊とゞまれるふね大鳥おほとり波上はじやうねむるにて、丁度ちやうどゆめにでもありさう景色けしき! わたくし此樣こん風景ふうけい今迄いまゝで幾回いくくわいともなくながめたが
幾回いくくわいものカンフル注射ちうしやほどこされて、みな彼女かのぢよ身内みうちものが、一人ひとりでもてくれることのぞんでゐたが、電報でんぱうつたにもかゝはらず、誰一人たれひとり、たうとうなかつた。
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)