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幾万
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いくまん
生活に
差別のあるのは、ひとり、
幾万の
人間の
住んでいる
都会ばかりでありません。
田舎においても
同じであります。
それといっしょにまた
幾万という鳥の
群れがそらをまっすぐにかけたのです。
二人の顔を出しているまん中の
窓からあの女の子が顔を出して
美しい
頬をかがやかせながらそらを
仰ぎました。
みんなの
希望まで、
自分の
生命の
中に
宿して、
大空に
高く
枝を
拡げて、
幾万となく
群がった
葉の一つ一つに
日光を
浴びなければならないと
思いましたが、それはまだ
遠いことでありました。