巧妙こうみょう)” の例文
天然てんねん細工さいく流々りゅうりゅう、まことに巧妙こうみょうというべきではないか。こうなると他家結婚ができ、したがって強力な種子が生じ、子孫繁殖しそんはんしょくには最も有利である。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
さてまたかの美しき看護婦かんごふドルスじょうにいたしましても、ここに権力けんりょく残酷ざんこくなる命令めいれいを実行いたしましたあかつきには、いかにしてあの巧妙こうみょうなる弁舌べんぜつをもって
女房にょうぼうは、こういったら、半杓はんしゃくぐらい最後さいごに、おまけをれてくれるだろうかと、をさらにして、じっとていたのですが、おとこは、やはり巧妙こうみょうとでもいうように
火を点ず (新字新仮名) / 小川未明(著)
仕掛しかけだけはすこぶる巧妙こうみょうなものだが、実際はすこぶる不手際である。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
婉曲えんきょく巧妙こうみょうなる言葉のもとほねしょうすることもできる。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
こんな分業などがく行われ、つ受精が巧妙こうみょうきわたり、また種子の分布ぶんぷたくみなので、キク科植物は地球上で最も進歩発達した花である、と評価せられている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
おれの頭はあまりえらくないのだから、いつもなら、相手がこういう巧妙こうみょうな弁舌をふるえば、おやそうかな、それじゃ、おれが間違ってたとおそれ入って引きさがるのだけれども、今夜はそうは行かない。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
いったい、スミレの花は昆虫に対し、とても巧妙こうみょうにできている。まず花は側方そくほうに向いているので、昆虫が来て止まるに都合つごうがよい。花弁は上の方に二へん、両側に二片、下の方に一片がある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)