巍々ぎゝ)” の例文
越後の西北は大洋おほうみたいして高山かうざんなし。東南は連山れんざん巍々ぎゝとして越中上信奥羽の五か国にまたがり、重岳ちようがく高嶺かうれいかたならべて十里をなすゆゑ大小のけものはなはだおほし。
海水はその緑なる苔皮たいひをして、高く石壁にぢ登らしめ、巍々ぎゝたる大理石の宮殿も、これが爲めに水中に沈まんと欲するさまをなし、人をして危殆きたいの念を生ぜしむ。
ムヽ夫は實によい手都合てつがふソレ呼込よびこめの聲のした忽地たちまち和吉は呼び入れらるゝに巍々ぎゝ堂々だう/\たる政府の白洲しらす一同居並ゐなら吟味ぎんみていに和吉は見るより幼稚意こどもごころに大きに恐れハツと計りに平伏せしがかたへ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昔し蕃山熊沢氏はへり堂宇だうう伽藍がらん巍々ぎゝたる今日は即ち是れ仏教衰微の時代也と、宣教師は来りて雲突計くもつくばかりの「チョルチ」を打建うちたつるも、洋々たる「オルガン」の音、粛々たる説教の声