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居士
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コジ
居士は、
人命犯には
必らず萬已むを得ざる原因ある
事を
言ひ、
財主の
老婆が、
貪慾を
憤ふるのみの
一事にして
忽ち
殺意を
生ずるは殺人犯の原因としては甚だ淺薄なりと
言ひ
余は
學海居士の
批評に
對して
無用の
辨を
費やさんとするものにあらず、
右に
引きたるは、
居士の
批評法の
如何に
儒教的なるや、いかに
勸善懲惡的なるやを
示さんとしたるのみ
余は
平生學海居士が
儒家らしき
文氣と
馬琴を
承けたる
健筆に
欽羨するものなるが、
罪と
罰に
對する
居士の
評文の
餘りに
居士を
代表する
事の
多きには
聊か
當惑するところなき
能はざりし。
“居士”の解説
居士(こじ)
仕官せず野にある男子の読書人(士)。漢籍で用いられる語。
出家をせずに家庭において修行を行う仏教の在家信者。またそこから転じて戒名の末尾につける敬称・尊称ともなった。
(出典:Wikipedia)