小身しょうしん)” の例文
これすなわち宗祖そうそ家康公いえやすこう小身しょうしんよりおこりて四方を経営けいえいしついに天下の大権を掌握しょうあくしたる所以ゆえんにして、その家の開運かいうんは瘠我慢のたまものなりというべし。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
ところが、こいつは手軽に道具屋をおっぱじめて、くろうとはだしの取引を平気でやり出すだけの身軽さがある、この辺が小身しょうしんに生れた利益だ。
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小身しょうしんながらも武士であるから、堀田原の主人もその話を聴いて眉をしわめた。それは気の毒なことで、御迷惑お察し申すと栄之丞兄妹きょうだいに深く同情した。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小身しょうしん又者またものでは、御威勢なみならぬ厩橋さまの御前はおそれ多くもあり、また」と甲斐は言葉を切った。
当然、彼は父娘おやこの好意に甘えて、小山田家に立ち寄った。一閑は隠居の身だし、庄左衛門は居なかったし、百石ばかりの小身しょうしんな住居なので、気のけるわずらいもない。
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
君は大禄たいろくを取り、僕は小身しょうしんもの、御維新ごいっしんのち、君は弁才があって誠しやかにういう商法をれば盛大に成ろうと云うから、僕が命の綱の金を君に預けた所、商法ははず
たとい小身しょうしんでも陪臣ばいしんでも、武家に奉公させたいと念じていたのであるが、それも時節で仕方がない、なまじいに選り好みをしているうちに、だんだんに年がけてしまっても困る。
籠釣瓶 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
旗本といっても小身しょうしんであるから、伊助という仲間ちゅうげんひとりを連れて出た。
温泉雑記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
旗本と云っても小身しょうしんであるから、伊助いすけという中間ちゅうげんひとりを連れて出た。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
小身しょうしんではあるが、屋敷には中間ちゅうげん二人を召使っている。
(新字新仮名) / 岡本綺堂(著)