小禽せうきん)” の例文
汝等なんぢらつまびらかに諸の悪業あくごふを作る。あるいは夜陰を以て小禽せうきんの家に至る。時に小禽すでに終日日光に浴し、歌唄かばい跳躍して疲労をなし、唯唯ただただ甘美の睡眠中にあり。汝等飛躍して之をつかむ。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
山里やまざとを、汽車きしやなかで、ほとんとりこゑかなかつたかれは、何故なぜか、谷筋たにすぢにあらゆる小禽せうきんるゐが、おほき獵人かりうどのために狩盡かりつくされるやうなおもひして、なんとなく悚然ぞつとした。それ瞬時しゆんじで。
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
利爪りさう深くその身に入り、諸の小禽せうきん痛苦又声を発するなし。すなはち之を裂きてほしいまま噉食たんじきす。或は沼田せうでんに至り、螺蛤らかふついばむ。螺蛤軟泥中にあり、心柔輭にうなんにして、唯温水をおもふ。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
汝等なんぢらつまびらかに諸の悪業を作る。あるいは夜陰を以て小禽せうきんの家に至る。時に小禽すでに終日日光に浴し、歌唄かばい跳躍して疲労をなし、唯唯甘美の睡眠中にあり。汝等飛躍して之をつかむ。
二十六夜 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)