小棚こだな)” の例文
君子くんし庖廚はうちうことになんぞ、くわんしないでたが、段々だん/\ちやり、座敷ざしきおよんで、たな小棚こだなきまはし、抽斗ひきだしをがたつかせる。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
金博士の視線は、さっきから、飾窓の小棚こだなにのせられてある洋酒の群像にくぎづけになっている。
朝のうちに、竪形たてがたピアノを運ばせておいた。自分の最も大事な最も好きな書物を数冊選んで、枕頭ちんとう小棚こだなにのせておいた。どんな些細ささいなものも、愛情をこめて考えなかったものはない。
造花屋と云う怪しい看板をかけて店の小棚こだな種種いろいろの造花を並べていた。
水魔 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)