小奴こやつこ)” の例文
豊年ほうねん坊主は、小奴こやつこの三味線で、何にか踊つてゐたやうで、大きな花火が揚がつて、皆んな其方そつちを向いた時、お絹さんはいきなり悲鳴をあげて船底に倒れました。
石川の歌集をひもとく人は、その作品の中に小奴こやつこといふ女性が歌はれてゐることを気づくであらう。
石川啄木と小奴 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
あたり公園こうゑんひろいけあり。ときよし、かぜよしとて、町々まち/\より納涼すゞみひとつどふ。わらべたち酸漿提灯ほゝづきぢやうちんかざしもしつ。みづともしびうつくしきよるありき。みぎはちひさふねうかべて、水茶屋みづぢやや小奴こやつこ莞爾にこやかに竹棹たけざをかまへたり。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
小奴こやつこといひし女の
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)