小声こごゑ)” の例文
旧字:小聲
小声こごゑ陰徳いんとくでも乞食こじきの足を洗ふのは忌嫌いやでございますなア。とグヅ/\ひながら、忌嫌々々いや/\足を洗つてる。
長吉ちやうきちは妙にまりが悪くなつて自然に俯向うつむいたが、おいとはうは一かうかはつた様子やうすもなく小声こごゑ
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
「えゝ」と云つて、ぼんやりしてゐる。やがて二人ふたりが顔を見合した。さうして一度に笑ひした。美禰子は、驚ろいた様に、わざと大きなをして、しかも一段と調子をおとした小声こごゑになつて
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そぞろにその詩のはじめをば小声こごゑほがらかに吟じゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
わたしは小声こごゑで呼びませう
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
小声こごゑで云つた。
帰つてから (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)