威力いりょく)” の例文
隊員たちは、トロイ谷で月人からひどい目にあわされたので、今こそ月人をたおして、地球人の威力いりょくを見せるときだと、いきまいている。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
松明たいまつの火が火縄ひなわにうつり、その真下にんであった銃丸じゅうがんはこから火薬かやく威力いりょくはっしたのである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今日は、どうやら、わしは、あの青年に向って、文字の霊の威力いりょく讃美さんびしはせなんだか? いまいましいことだ、と彼は舌打をした。わしまでが文字の霊にたぶらかされておるわ。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
美しいギリシャの少年が円柱によりかかって、むかし威力いりょくを物語る戦勝記念標の高い旗竿はたざおを見上げています。旗は喪章もしょうのように垂れさがっています。ひとりのむすめがそこで休んでいます。
その瞬間しゅんかん、彼女は我々みんなよりも、ずっと高貴な存在に思われ、その白い額からも、じっと動かないまゆからも、なんとも言えない明るい知恵ちえ威力いりょくが、におってくるような気がして、わたしは思わず
はつ恋 (新字新仮名) / イワン・ツルゲーネフ(著)
金や威力いりょく理屈りくつで人間の心が買える者なら、高利貸でも巡査じゅんさでも大学教授でも一番人に好かれなくてはならない。中学の教頭ぐらいな論法でおれの心がどう動くものか。人間は好き嫌いで働くものだ。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
空爆の威力いりょくされて、だんだんと地底深く追いやられたが、初めはせいぜい地下二百五十メートルが人類の生活し得る限度で、それ以上になると、とても暑くて、生活は出来ないし
どッちの声も、威力いりょくがある。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もちろんX号も、原子爆弾の威力いりょくは十分に知っていた。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
宇宙線の威力いりょく
宇宙戦隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)