妻子めこ)” の例文
妻子めこ見ればめぐしうつくし」(巻五・八〇〇)、「妻子めこ見ればかなしくめぐし」(巻十八・四一〇六)等の「めぐし」は愛情の切なことをあらわしているが
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
ここに天なる天若日子が父天津國玉あまつくにたまの神、またその妻子めこ二〇ども聞きて、降り來て哭き悲みて、其處に喪屋もや二一を作りて、河鴈を岐佐理持きさりもち二二とし、さぎ掃持ははきもち二三とし、翠鳥そにどり御食人みけびと二四とし
われ食めば妻子めこのかて減す道理ぞと知りつつなほも貪りてをり八月二日
枕上浮雲 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
たのしみは、妻子めこむつまじくうちつどひ、かしらならべてものをとき
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
妻子めこどもは によび泣くらむ
日本の美 (新字新仮名) / 中井正一(著)
「父母を見れば尊し、妻子めこ見ればめぐしうつくし、世の中はかくぞ道理ことわり」、「つちならば大王おほきみいます、この照らす日月の下は、天雲あまぐも向伏むかふきはみ谷蟆たにぐくのさ渡る極、きこす国のまほらぞ」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
強く愛している女を独占しようとする気持の歌で、今読んでも相当におもしろいものである。「うつくし」は愛することで、「妻子めこみればめぐしうつくし」(巻五・八〇〇)の例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)