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如夜叉
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にょやしゃ
ふりがな文庫
“
如夜叉
(
にょやしゃ
)” の例文
表面
(
うわべ
)
は優しく見せかけても内心は
如夜叉
(
にょやしゃ
)
、総領の継子を殺して我が
実子
(
じっし
)
を相続人に据えようという怖しい
巧
(
たく
)
みがあったに相違ないのです。
画工と幽霊
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
、敵を論破するためには私立探偵を十円くらいでたのんで来て、その論敵の氏と育ちと学問と素行と病気と失敗とを赤裸々に洗わせ
もの思う葦:――当りまえのことを当りまえに語る。
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
の
譬
(
たとえ
)
通りです。第一あなたがたの涙の前には、誰でも
意気地
(
いくじ
)
がなくなってしまう。(小野の小町に)あなたの涙などは
凄
(
すご
)
いものですよ。
二人小町
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
しかし、こうなりゃお多根のかたさまがどんなにいじらしくて、すなおで、かわいかろうとも、おれの目にゃ
如夜叉
(
にょやしゃ
)
なんだ。出直しだよ、出直しだよ。
右門捕物帖:22 因縁の女夫雛
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「うむ、世間は知らぬ——ことさら、
女子衆
(
おなごしゅう
)
はな——
外面如菩薩
(
げめんにょぼさつ
)
、内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
——という、
諺
(
ことわざ
)
がござるに——」
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
▼ もっと見る
魔性の女のいたずらな恋慕——内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
の美貌に親切らしい化粧をつくッて、眠り薬を用いて自分の生涯に拭うべがらざる不覚を与えた丹頂のお粂です。
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「だって、
外面如菩薩
(
げめんにょぼさつ
)
、内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
というんでしょう。あっしは目をつぶって縛りましたよ」
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
信切顔
(
しんせつがお
)
をして其人の秘密を聞き出し
其
(
そ
)
れを
直様
(
すぐさま
)
官に売附けて世を渡る、
外面
(
げめん
)
如菩薩
(
にょぼさつ
)
内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
とは女に非ず探偵なり、切取強盗人殺牢破りなど云える悪人多からずば其職繁昌せず
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
外面如菩薩
(
げめんにょぼさつ
)
内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
などいう文句は耳にたこのできるほど聞かされまして、なんでも若い女と見たら鬼か
蛇
(
じゃ
)
のように思うがよい、親切らしいことを女が言うのは皆な
欺
(
だ
)
ますので
女難
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
華厳経
(
けごんきょう
)
に
外面
(
げめん
)
如菩薩
(
にょぼさつ
)
、
内心
(
ないしん
)
如夜叉
(
にょやしゃ
)
と云う句がある。知ってるだろう」
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
外面
(
げめん
)
如菩薩
(
にょぼさつ
)
、
内心
(
ないしん
)
如夜叉
(
にょやしゃ
)
とは彼女等三人の事でなければならぬ。そうしてこの恐ろしい形容詞が、女に限られたものでなければ、
彼
(
か
)
の呉井嬢次と称する怪少年も、その仲間に数え入れなければならぬ。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
縊
(
くく
)
りました。——
外面如菩薩
(
げめんにょぼさつ
)
、内心
如夜叉
(
にょやしゃ
)
、——恐ろしいことでございましたよ
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「いいえ、だからはこっちでいうことなんだ。べっぴんのなかにもああいう掘り出しものがいるんだからね、親のかたきみてえに、目の毒だの、
如夜叉
(
にょやしゃ
)
だのと悪口いうもんじゃねえんですよ」
右門捕物帖:22 因縁の女夫雛
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
まことに
如夜叉
(
にょやしゃ
)
のたとえを其の儘でござります。
半七捕物帳:69 白蝶怪
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
如
常用漢字
中学
部首:⼥
6画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
叉
漢検準1級
部首:⼜
3画
“如夜”で始まる語句
如夜刄