よか)” の例文
ですがたった一つ悪い事にはあの年になっだ女の後を追掛る癖が止みませんから私しは時々年に恥ても少しはつゝしむがよかろうと云いました
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
何を云う? そげな事あッてよかもんか! 骨に故障が有るちゅうじゃなし、請合うて助かる。貴様は仕合しあわせぞ、命を拾うたちゅうもんじゃぞ! 骨にも動脈にも触れちょらん。
ネ、私は坂を歩いたもんですから、息が切れて、まあどうしたらよかろうと思っていると、貴方が赤い躑躅の枝を折って、『この花の露を吸うがいい』と仰って、私にそれを下すったでしょう
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
偖又其頃そのころ兩換町に島屋しまや治兵衞とて兩替屋ありけるが肥前屋ひぜんや小兵衞は此家へ度々たび/\兩換の事にて行店の者にも心安こゝろやすく成てとくと樣子を窺ふに概略勝手もわかりしかば是ぞよからんと思ひ仁左衞門へ島屋の事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)